昨年6月末(古稀直前)を以って、NKK(造船)→USC→USC特機→JMU特機、さらに縁あって再就職した追浜の会社(MWJ)での計47年3ヶ月の会社人生を終えた。世の中はコロナ禍で、2月頃からMWJの週2日の非常勤勤務は週1日でよくなり(もう1日はリモートだったが監査役の仕事は特になく)、以前から時々歩いていた「裏山」を週2−3回歩くようになった。そう、裏山には「三密」が無く、個人的に困っていた耳の三密(老眼鏡、補聴器とマスク)も無く快適で、あっと言う間に一年が過ぎた。
金沢区釜利谷の我が家から、横浜市最高峰大丸山(156.8m)まで歩いて30分。半世紀前の横浜市等の関係者は自然をよく知っていたらしく高速道路の計画にあたり、周辺環境や山道の保護・保全に配慮したようだ。現在も横々道路と首都高との釜利谷JCTを拡張し圏央道への連絡道路(大船方面へ)を増設中だが、これらの森や庄戸や桂台の住宅地もトンネルで、その上の土地は空地や公園になっている。(掘削機械はJFEエンジ製と聞いた。)
これら高速道路に加え高圧送電線も多く走るが、その森の中を金沢文庫駅から鎌倉駅まで歩くコースを(途中の周辺も加え)紹介したい。ご興味を持たれた方は、グーグルで「円海山周辺マップ」とか「鎌倉天園ハイキングコースと周辺略図」などの地図を検索すれば解りやすいと思う。歩く時は地図必携だが、コースには案内板や道標が整備されている。
さて、朝10時に金沢文庫駅西口を出る。線路に沿って北に5分で踏切、それを渡らず左折して1分程度で六国峠ハイキングコースの入口に着く(「六国峠」とは伊豆、相模、武蔵、下総、上総、安房の六国が見える峠の意で「天園」の古称だ)。山道を20分ほどで能見堂跡地(能は昔、戸外の舞台で催したとかで林の中だ)だ。住宅の横を歩くところもあるが、春には大島桜やシャガなどが咲く細長い森の尾根道をさらに30分ほど行くと、右手の住宅の中に大きなジョーロ状の給水塔が見える分岐に着く。ここを道標に従って左折すると釜利谷JCT横を通り金沢自然公園(動物園)に至る。一方、右折し案内板手前の左手の小道(地図にはない)を行くと直ぐに氷取沢ゴルフ練習場上部で、金網沿いに下ると氷取沢市民の森の下部に至る。この市民の森は大岡川(上大岡辺りの両岸は桜の名所)の源流の一つでなかなか奥深く、その谷を登ると円海山と大丸山の間の尾根道に合流する。その尾根の北東斜面は瀬上市民の森で、中心の瀬上池は新緑・紅葉・バードワオッチングなどが楽しめ、港南台方面からは栄高校(瀬上沢沿いの道は夏は蛍の名所)などからも入れる。
さて、金沢自然公園(奥の動物園は有料)に入り、休憩施設「ののはな館」の先を右折し「しだの谷」を抜け、階段を登るとJCTと並行する工事用道路に突き当たる(階段途中を右折し歩行者用トンネルを抜ければ遊水池経由前述の氷取沢市民の森に繋がる)。階段上を左折して工事用道路を5分歩くとまた分岐がある。道路工事の塀に沿って直進して、ひょうたん池(大岡川のもう一つの源流で、元の池はJCTで埋められ、上流の湿地帯を掘った新池だが、夏はシオカラトンボ、幸運なら「青い鳥」カワセミも見られる)を経由して大丸山に登る。参考までに、左手に曲がり林の中を行く山道は10数分で横々を跨ぐ橋に至る。釜利谷の我が家から登る時は横々の下の健康歩道「釜利谷緑道」からの4つの登り口を利用するが、この跨線橋手前に登る北口、その途中で左手に別れ横々を潜るもうひとつの北口、緑道中程から登って横々を潜る中央口の3つは、この跨線橋から関谷奥見晴台への道に合流する。4つ目の南口は緑道南端のトンネルで横々を横切り後述の市境広場に登る。
大丸山には前述の瀬上市民の森方面からの尾根道(西側は庄戸住宅で、見晴らしのよい所からは住宅越しに、南から天城、箱根、富士、丹沢、大菩薩、雲取、秩父の山々が見える)からも登れる。山頂は西方への展望はないが、南東の展望がよく東京湾や房総半島南部の南総里見八犬伝所縁の淡麗な双耳峰冨山(とみさん)が見える。さて、山頂の休憩テーブルの一つで昼食をとったら、尾根道に下り左折して5分程度で前述の関谷奥見晴台(ここは北東に展望が開けスカイツリーが見え、一度だけだがそのすぐ左に筑波が見えた。またこの見晴台一帯の西斜面は「金沢自然観察の森」で、上郷方面が正面口だ)、さらに7−8分で市境広場(ここから先は尾根の左側は鎌倉市)に至る。広場からは南西に鎌倉ゴルフ場クラブハウスが見え、その上に富士が聳え、右手には丹沢、雲取、秩父の山々が連なる。
市境広場から尾根道を右手に横浜霊園を見ながら(見えないが左手には鎌倉霊園)約20分で天園である(途中横浜霊園越しに故郷の日光連山が一度見えた)。天園からは瑞泉寺に下る道、獅子舞の谷を下る道(11月末には銀杏の黄葉と楓の紅葉が美しい)、鎌倉ゴルフ場上の鎌倉市最高峰大平山を経由して覚園寺に下る道、建長寺に下る道、明月院奥に至る道、さらに住宅地を少し歩き六国見山に至る道など楽しみは多く、午後3時から4時頃に鎌倉駅(最後の2つは北鎌倉駅)に着く。鎌倉駅前のメトロポリタンホテルのMUJI CAFFEの地ビール「鎌倉ビール」が山歩き後の喉に美味しい。
高速道路の騒音は難聴の僕にも所によって煩いし(しかし夏は蝉の声の方が勝る!)、一昨年秋の台風で山道にかなりの被害が出たり、カシノナガキクイムシにより多くのコナラが枯れたり、夏から秋にはスズメバチが出たり(黒い服を着ていると熊と間違えられ襲われるとか)、また脇道の多くは送電線鉄塔のメンテ道で行止りだったり、いろいろ注意することもあるが、まさに下手な短歌だが<今日もまた木と花と空の山道を歩く喜び勝るものなし>である。参考までに写真を3枚添付する。
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大丸山近くの尾根道で出会ったアサギマダラ(昨年9月30日) |
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瀬上池の紅葉(昨年12月10日) |
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尾根道から住宅越しのやっと白くなった富士と丹沢(今年2月6日) |
ところで、逆コースも可能で、その場合には文庫駅近くの地ビール工房「南横浜ビール研究所」の出来立てのペールエールが美味しい。最後に火気と火器使用は禁止です(今足利の山火事をTVニュース報じている)。
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