前回モノクロについて少し触れましたので、その続きです。
モノクロ写真は時代に逆行すると思われるかも知れませんが、意外とカラーでは表現できない味もあります。色がないので見る人の想像力も刺激してくれます。その魅力はただクラシックでかっこよく見えるだけではありません。
「悠久の時を語る」
作品として意識したのは落ち着いたレトロ感です。よってモノクロで表現するのを選びました。
歴代の藩主は、池に船を浮かべ、移りゆくお庭の景色を楽しんだと言われています。熟年のカップルがその舟遊びの風雅さを、船頭の解説を聞きながら味わっています。お二人と船頭さんはどんな人生を歩まれてきたのだろう。そんな想像もふくらませて撮ったスナップ写真です。タイトルはそのとき浮かびました。
カラーで表現するより白黒の方がレトロ感は増し深みのある画像になったのではと思います。
お近くで昭和の匂いがするような被写体があれば、モノクロを試されてはどうでしょうか。
写真は本来「真を写す」という意味です。美しく写さなくてはならないという呪縛は捨てて、被写体をあるがままに捉えられればいいと思います。
デジタルでは加工や合成のソフトウェアを使って修正し全く違った作品に仕上げるのも可能です。
例えば小生は使ったことがないのですが、フォトショップというソフトで曇りの空を簡単に青空にすることもできます。
コンテスト入賞作品にはそうしただろうと疑うものもありますが、ばれないからというなら寂しいですね。
ポートレートもかなりの修正を加え、本人の判別がむずかしくなると皮肉めいた笑い話も結構聞きます。
加工に懲りだすと、もう限界がありません。芸術作品なのでそれはそれで意味があると思いますが、真実が分からなくなってしまうのも気になりますね。
一時期イメージクリエイトという世界にはまって加工に凝ったこともありましたが、今は画面に映りこんでしまったごみなどをごみ消し機能を使って消すことくらいです。
カメラの性能が劣るからとか加工ソフトが使えないから諦めることはありません。ピントさえ合っており構図が良ければ人を感動させる写真が撮れます。いずれにしてもレタッチ(画像を修正する作業)はミニマムにしたいものです。
話しは変わりますが、上野の東京都美術館で11月19日から24日まで第22回日本写真作家協会公募展が開かれます。ご都合がつけば小生の作品「秘めた情熱」(展示番号195)をご覧いただきご批評いただければ幸いです。
次回はちょっと番外で、ドジャースタジアムに行ったのに大谷君の写真をアップで撮れなかった話をしたいと思いす。
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