011-2023 事務局余談・閑談

2023年3月30日木曜日

事務局余談・閑談

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  「鉄腕投手 稲尾物語」という1959 年の映画があったのをご存知でしょうか。1957年の日本シリーズを巨人と争った西鉄、この西鉄のエースとして7試合のうち6試合に投げ4勝2敗と獅子奮迅の働きをしたのが稲尾投手(以下稲尾という)です。

 その稲尾の講演を営業のお客さんの会社で聞く機会があり、上手い語りにすぐに引き込まれてしまいました。(これも講演登板回数が多いせいでしょう)話の中心は打者長嶋との対戦のこと、その不思議さについてです。稲尾があらゆる打者に自信を持って投げていたのは打者の気配。どんな打者にも必ずそれがあったというのです。それがなんと初対戦の長嶋にないことに驚く。シリーズ中に何度か対戦し長嶋は何も考えてないと結論せざるを得なかった。(ここで間、会場にざわめき、それを抑えるように)いや、皆さん私は長嶋が馬鹿だと言ってるわけではないので誤解なく、と笑み。今度こそはと思っても相手には相変わらず気配がない。さあどうする、結局選択したのはこちらも考えずに投げること、とてもやりにくい相手だったと、長嶋ファンへの配慮満点の話術。

 平和台球場の思い出も納得でした。稲尾は実兄から注意される。「お前は態度が悪い!勝ったときはなぜか下を向き、負けたときはこれ見よがしに上を向いてベンチに帰ってくる、真逆ではないか。」弟、稲尾は言う。「兄ちゃんそれは違う、俺は選手生命を保つためにそれしかないのだ。観客は皆瓶ビールを飲みながら観戦する。負け投手には腹いせにそいつが飛んで来るんだぜ。」

(これは私が証言します。時代こそ違え私はその観客のひとり)

 稲尾は高校では当初捕手だったのが、素人監督の球の速いヤツを投手にとのアイデアで抜擢され投手に転じたのだそうです。名監督の下で選手は育つのが普通なのに、運命というのは不思議なものですね。その素人監督の息子が私の小学校時代の親友というのが私の誇り。





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